なめらかな質感とマットな白色。余白を愉しませてくれるうつわ

「約400年前、茶人の古田織部はいびつで新奇な茶碗を考案し、それはその後、織部焼として日本に定着しました。同じように、私も世の中にないものを生み出したい、21世紀の伝統をつくりたいと本気で思っているんですよ」

真剣なまなざしで話す青木良太さんは、有言実行の陶芸家である。

金、銀、プラチナ。釉薬として使うには非常識ともいえる原料を巧みに操り、絢爛豪華なうつわへと昇華。漆器や金属器と見間違うほど艶やかでシャープな佇まいは、青木さんの代名詞ともいえる。二十数年前に発表して以来、これらのうつわはいまなお国内外で高い評価を得ている。近年、類似品が世に出回るようになっている状況に鑑みれば、まさに彼が、新たなうつわのジャンルを創出したと言っても過言ではない。

磁器土に釉薬を練り込んでつくることで磁器とは異なる、すべすべとした心地よい質感に仕上がる。また、わざと厚みをもたせて、保温性・保冷性を高めている。そのため温かい料理から冷たいデザートまでOK。一流ホテルでも使われている名品。

[サイズ展開]
5（Φ155×H20mm）
7（Φ245×H28mm）
8（Φ245×H28mm）

- text: Misa Hasebe　photo: Yuko Okoso

＜作家のご紹介＞青木良太 （あおき りょうた）

1978年、富山県生まれ。金や銀など、従来の陶芸では使われない素材を積極的に取り入れ、未知の作品を創造し続ける。国内外の個展のほか、陶芸による現代アートフェスにも参加。若い陶芸家を支える活動にも尽力。

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掲載誌

Discover Japan 2024年12月号「米と魚」

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