うつわのご購入にあたって

陶磁器やガラスの作品にはさまざまな個性があります。職人や作家が一点ずつ制作する作品は、成形や焼成時に生じる手づくりならではの風合いがございます。作品の特性を考慮したうえ、弊社指定の基準をもとに検品のうえお届けしております。
下記の状態がみられるものは、不良品ではなく良品として販売させていただきます。返品・返金対応の対象外となりますのでご理解の上、ご購入いただきますようお願い申し上げます。

うつわの特性

貫入

一見ひびわれのように思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、これは釉薬をつかった作品に現れる釉薬表面のひびで「貫入(かんにゅう)」と言います。
釉薬と素地との収縮率の相違から起こる場合や、徐々に貫入が見られる場合もあり、割れに繋がるヒビや傷と異なります。永くご愛用いただくことで、貫入に経年変化が訪れることもあり、うつわ好きな方に愛される個性のひとつです。

気泡

ガラス作品は材質の特性上、ガラス内部に小さな気泡が生じることがあります。
気泡とは、ガラスが固まる過程で、中に巻き込まれた空気が抜けずにガラス内に閉じ込められた状態のこと。中には半分表面に出ているものもあります。ガラスを溶かして半液体状態にし、型に流し込んで成形。そのまま置いておくと固まり固体となりますが、その過程で巻き込まれた空気が抜けきらず、気泡として残ります。
作品によっては意図的に気泡を用いる素材で制作される作品もございます。作品の個性としてお楽しみください。

ピンホール


陶磁器作品には、ピンでついたような小さな陥没や黒い穴が見られることがあります。素地に残った有機物などが、焼成後に小さな穴として残る場合があります。これをピンホールと言い、陶磁器の特性のひとつとして挙げられるため、うつわの個性としてお届けしております。

色ムラ/焼きムラ

釉薬は手作業でかけられているので、かかり方が均一ではない場合があり、色合いにムラが出ます。絵付けの筆致や化粧土をかけた際にも、同じく色ムラや垂れが生じることがあります。
また焼成の際にも、窯の焼く場所によって温度が異なるため、焼き方にムラが生じます。
いずれにおいても、昔からうつわの「景色」として鑑賞の対象とされております。

目跡

うつわの中心にあるポツポツとした跡。これはうつわを重ねて焼いた際にできる「目跡(めあと)」と言い、傷ではありません。焼かれた陶磁器が地面にくっつかないよう、陶磁器と地面の間にかませた粘土の痕跡で、上下の釉薬が熔けても作品同士の熔着を防ぎます。
一つひとつ制作されている作家ものによく見られます。作家によってはあえて目跡を付け、うつわの「景色」のひとつとする作品もあります。