焼成温度の微妙な差でうまれる絶妙なカラー

ウェブデザインやディレクターの仕事から陶芸の道に入った小川さん。土も釉薬もそれぞれ特徴があり、焼成後に釉薬が溶けて流れたり、結晶が出たり、化学変化による不思議な発色に驚き、魅了されたという。

「最近は実験のように焼成温度を微調整し、安定しない難しさと、同時におもしろさを実感しています」

デンマークの陶芸家、エリック・ランドン氏に憧れ、ワークショップに参加したこともある小川さん。北欧の色彩とおおらかさ、優しさをもつうつわは、空間にひとつあるだけでその場を和やかにしてくれる。

「忙しい日常にひと呼吸置くように、インテリアとしても道具としても自由に楽しんでもらえたらうれしいです」[記事全文はこちら]

こちらは「Seed Green Brown ボウル」。焼成温度の微妙な差で、エメラルドグリーンと錆びた茶色の間をゆらめく色に。誰もが好奇心の種をもてたらと願い、Seedと名づけた。

- text: Yukie Masumoto　photo: Shiho Akiyama（2025年10月号より抜粋、一部加筆修正）

＜作家のご紹介＞Aya Ogawa（おがわ・あや）

東京都出身。大阪で木村彰弘氏に陶芸を学ぶ。デンマークでのワークショップを経て東京でアトリエを構える。複雑な色や質感の作品が国内外で支持される。フィンランド美術賞展にて優秀賞受賞。

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掲載誌

Discover Japan 2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。」／ダブル特集「九州」

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