温かみと奥行きがある配色。料理が映えるボウル

大胆なバイカラーでありながらモノトーンの静けさがある。繊細な彫り加工や、どこか緊張感のあるフォルムは、うつわでありながらオブジェのよう。そんな「silence」シリーズは、光井さんが色弱であることがきっかけで生まれたという。

「ガラスでものづくりをはじめて、色の組み合わせから感じ取れる感覚が人と異なることがわかりました。最初はその違いがおもしろかったのですが、色の斬新さやポップな華やかさだけではなく、どんな色の組み合わせでも雰囲気は共通のものにしたいと思うようになりました」

表面を1㎜間隔で彫るとカラーが和らぎ、静けさが共存することに気づいたと光井さん。うつわを手にすると、緊張と緩和のバランスが心地よい。[記事全文はこちら]

こちらは「bowl silence」。両手で包み込めるほどよいサイズ感。アンバーとグレーの配色で温かみと奥行きがあり、料理が映える。抹茶碗として使うのも粋。

- text: Yukie Masumoto　photo: Shiho Akiyama（2025年10月号より抜粋、一部加筆修正）

＜作家のご紹介＞光井威善（みつい・たけよし）

1987年、広島県生まれ。倉敷芸術科学大学大学院を修了後、富山ガラス工房へ。2016年に独立し富山で活動中。オブジェのようなうつわsilence、うつわのようなオブジェbottle peopleで知られる。

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掲載誌

Discover Japan 2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。」／ダブル特集「九州」

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