天草の縁起物をおみやげにしたいと考え、誕生した「イカ恵比寿さん」

天草の人々は海の向こうからもたらされる有形無形のものから、独自の文化を育んできました。港や民家の玄関先には、縁起物として豊漁や航海の安全の神様「恵比寿さま」が祀られ、海に囲まれ、海とともに暮らす天草で大切にされています。

「イカ恵比寿さん」は天草の縁起物『下浦土玩具』を作っている地域おこし団体「しもうら弁天会」に手掛けていただきました。『下浦土玩具』とは、江戸時代中期より作られている天草地方古来の天草土人形（どろにんぎょう）からヒントを得て、その伝統と技法を守りながら、天草出身で武蔵野美術大学の若杉教授と同氏知人デザイナー下妻さんが考案した素焼きの人形です。

しもうら弁天会オリジナルの恵比寿さんは鯛を抱いていますが、五足のくつの恵比寿さんはルーツである江戸時代に下田温泉で営んでいたイカ専門の海鮮問屋にちなんで、イカを抱いています。
オーナーの山﨑博文は下田温泉で明治時代から続く旅館伊賀屋の6代目。
地元の人々からは今も「イカ屋」と呼ばれています。
愛らしい顔をした「イカ恵比寿さん」がきっと福を呼び込んでくれるのではないでしょうか。 

＜宿のご紹介＞五足のくつ

世界遺産に登録された「天草の崎津集落」から車で20分ほどの小高い丘に建つ「石山離宮 五足のくつ」。この地域の歴史を伝えるように、南蛮文化の気配を随所に漂わせる宿です。与謝野鉄幹、北原白秋ら5人の作家による九州旅の紀行文『五足の靴』からその名がつきました。3つの趣の異なる客室棟からなり、すべての客室に天然温泉の露天風呂が付きます。地魚や天草大王など天草ならではの食材や郷土料理を取り入れた食が味わえるのも特徴です。