黒染めによって生み出される表情豊かな黒の世界。ざらざらとした質感を活かしたコーディネートを

96が手掛ける「黒染め」とは、布を染めるように、金属を化学反応によって黒く染める技術。表面を黒く塗装した場合とは異なる、金属の風合いを生かした黒が生まれる。だからマットな金属はマットな黒に、光沢のある金属は光沢のある黒に仕上がる。また黒染めのアイテムは、経年変化を楽しめる点も魅力だ。「使うシーンや料理、使用頻度など、状況によって黒さが増したり、青光りや赤光り、グレーに色のニュアンスが変わったり、さまざまな変化が起こります。そうした表情の移ろいもぜひ楽しんでいただきたいです」(96・五十嵐さん)

日々の食卓はもちろん、来客時や季節のイベントなど、幅広いシーンで活躍。黒の世界を堪能しよう。

マットな質感で陶器のようにも見えつつ、金属らしさも醸し出している96の「ざらざら」なカトラリー。スチールの細かな粒を当て、肌を梨地にした状態で黒染めを施している。高級感と素朴さを兼ね備えた、無駄のない佇まいとざらざらとした質感。温かみのある陶器と合わせて使いたい一本だ。

- text: Misa Hasebe photo: Shiho Akiyama 2025年2月号「温泉のチカラ」より引用、一部加筆

＜ブランドのご紹介＞96（KURO）

株式会社テーエムによるブランド。約65年前、新潟県三条市で黒染め専門社として事業をスタート。カトラリーの製造から黒染めまで、すべての工程を燕三条の地域で行っている。今後はさまざまな黒染め製品を展開していく予定。

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掲載誌

2025年2月号「温泉のチカラ」

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