職人道具をキッチンツールに。毎日のお料理で活躍する万能料理ベラ

photo: Kazuya Hayashi

1818年、石川県輪島市に創業した「田谷漆器店」。10代目の田谷昂大さんが中心となり、日々の暮らしに寄り添う調理器具やうつわを中心に制作されています。

こちらの「拭漆（ふきうるし）料理ベラ」は、元々輪島塗の職⼈が下地作業に使っていた道具を料理ベラとして商品化したもの。その独特な形が料理の際にも使いやすく、炒め物、うらごし、攪拌（かくはん）、すくう作業に最適です。

軽くて抗菌性に優れた能登ヒバを素材に、漆を塗っては布で拭き取る「拭漆」を3回繰り返すことで防水性もアップし、さらには調味料などの着色や匂い移りも抑えることを可能にしました。

炒める、混ぜる、よそう、攪拌、裏ごし、潰す…… 1本6役の頼れる存在

長めのサイズで扱いやすく、毎日の料理で活躍。この一本で多様な調理工程をまかなえるため、洗い物の量が減るのも嬉しいポイントです。

地球にも身体にも優しい、天然⽊・天然漆でつくられています

左：漆の木。右：実際に取れた漆

天然漆は20年育てた漆の⽊から200グラムほどしか取れないとされる希少性の⾼い素材。時間が経つごとに硬化して強くなっていくのが特徴です。漆のもたらす抗菌性により、衛⽣的に製品をお使いいただけます。古来から薬として⽤いられるほど安全な塗料です。

木地には、能登産のヒバを使用。能登産のヒバは「ヒノキチオール」という成分を多く含み、強い殺菌・防腐効果があるとされています。ゆっくりと乾かされた⽊を輪島塗の⽊地職⼈が⼀つ⼀つ⼿作業で削り出し、その上に何度も漆を塗って、磨きを繰り返し、仕上げていきます。

ヒバの木目を生かした温もりのあるデザインが、キッチンの風景に馴染みます

漆塗りによって浮かび上がったヒバの木目は天然素材ならではの味わいが魅力的です。キッチンに馴染むデザインのため、優しい雰囲気や高級感をプラスしてくれます。職人により1本1本手作りされた温もりをお楽しみください。

ひとつひとつに個体差のある商品です。

ひとつひとつの個体差の例。左３本：ナチュラル、右３本：黒

天然素材を使用した職人の手仕事のため、個体差が見られます。
作り手によって検品済となるため、「木目・色の濃淡・形状などによる返品、交換」はお受けすることができかねますことをご理解いただきますようお願いいたします。

＜メーカーのご紹介＞田谷漆器店（たやしっきてん）

日本を代表する伝統工芸品「輪島塗」。その伝統的な製法を守りながら、時代に合わせた販 路開拓や商品開発を行ってきた石川県輪島市の「田谷漆器店」。2024年1月の能登半島地震 で大きな被害を受けながらも、輪島塗の新しい未来を描き“創造的復興”へ向けて進んでいる。

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Discover Japan 2024年4月号

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