日常をアンティークに飾る土本製陶所のうつわ。
作家になるきっかけは人それぞれですが、土本製陶所の山田哲史さん、麻友美さん夫妻の場合も興味深い。二十数年前、愛知県名古屋市内の百貨店に同期入社した二人は、まもなくして結婚。ともに長く業務に従事していましたが、2代続く窯元に生まれた麻友美さんは20年前に退職し、祖父や父と同じ製陶業の道を選びました。休日に麻友美さんの手伝いをするようになった哲史さん。徐々にものづくりの魅力にハマりはじめ、自身もまた、陶芸作家へと転身しました。「人生は一回。このままサラリーマンで終わっていいのかと自問し、迷いながらも、ものづくりの世界に飛び込みました」と哲史さん。こうして7年前、土本製陶所の看板を背負うことにした二人でしたが、作陶に関するノウハウはゼロに近かったため、当時まだ現役だった父から基本を教えてもらいつつ、二人で試行錯誤しながら、技法をマスターしていきました。
「当初は父や祖父の作風をそのまま踏襲し、いわゆる昔ながらの和食器をつくっていたのですが、現代の食卓には合わない気がして。自分たちが本当に使いたくなるものをつくることに、意識を変えたのです」と麻友美さんは語ります。
フランス好きの二人が選んだのは、アンティーク風のうつわ。フリルやポンポンなどの装飾、立体的なかたちが華やかで、食卓に並べると周囲がぱっと明るくなります。
「真っ白ではなく、柔らかな白を用いているため、空間に置いても目立ち過ぎることはありません。毎日手に取りたくなるような、ちょうどいいサイズ感も意識しています」と哲史さん。
心ときめくうつわの数々。料理を盛りつけたり、花を生けたり。そんな、ちょっとした幸せの積み重ねが、使い手の豊かな暮らしをかたちづくるのでしょう。
「レリーフプレートSS」は、定番のラウンド皿をそのまま小さくした作品。レリーフを贅沢にあしらっているものの、マットな黒色のため、シックな印象。食卓を引き締めたいときに便利なひと皿です。小物置きとしてもおすすめです。
<作家のご紹介>土本製陶所(つちもとせいとうしょ)
1964年、土鍋などで知られる「萬古焼(ばんこやき)」の窯元として、三重県四日市市に創業。現在は山田哲史さん・麻友美さん夫妻が伝統の技法や陶土、釉薬を受け継ぎ、現代の暮らしに合ううつわを制作しています。
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掲載誌
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。」/ダブル特集「九州」
商品について
商品情報 |
サイズ:φ135×H25mm 重量:185g ※一点一点手作りのため、サイズや色味には個体差があります。あらかじめご了承ください。 |
配送料 |
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